麦茶を飲み過ぎるデメリットとは?胃腸・肝臓・腎臓への影響と水分補給の注意点を解説

フリーランスライター&Web編集者。北海道在住。絶賛子育て中で、まもなく2児のパパになります。料理は完全に妻任せですが、三度の飯より食べるのが大好きです!仕事の時間が自由な強みを活かし、スーパーへの買い出しと食材選びには毎回同行して食のプロデューサー気取りで楽しんでいます。作る側だけでなく、食べる側・買う側の視点も交えながら、おいしいものに関する情報を発信中です。
夏になると、冷えた麦茶を冷蔵庫に常備し、家族でこまめに飲む家庭も多いでしょう。ただ、毎日たくさん飲んでいると、「飲み過ぎが体に悪いのではないか」「肝臓や胃、腎臓に負担がかからないか」と気になることもありますよね。
麦茶はカフェインを含まず、エネルギーや炭水化物も控えめです。適量であれば、日常の水分補給に取り入れやすい飲み物です。とはいえ、飲み方によっては気をつけたい点もあります。
この記事では、食生活♥♥ロピアが、飲み過ぎで起こりうる体への負担、それを避けるための飲み方、麦茶と水の使い分け、正しいミネラル補給の考え方までまとめて整理します。麦茶のデメリットや上手な取り入れ方が気になる方は、ぜひ参考にしてください。
麦茶を飲み過ぎるとどんなデメリットがある?

麦茶はカフェインを含まず、糖分も控えめな飲み物で、適量を飲む分には大きな問題は起こりにくいと考えられます。麦茶(浸出液。水やお湯で抽出した液)のエネルギーは100gあたり1kcal、炭水化物は0.3gと、カロリーも炭水化物も控えめです。
ただし、量や飲み方によっては気をつけたい点もあります。飲み過ぎたときに注意したい点は、主に次の4つです。
- 体が冷えることがある
- 胃腸に負担がかかることがある
- 麦茶だけに頼ると、必要なミネラルを十分に補えないことがある
- 汗をかいたとき塩分が不足することがある
なお、厚生労働省がカフェインを多く含む飲料として示している一覧に、麦茶は含まれていません。各項目の詳しい内容は、次の章から一つずつ整理します。
参考:文部科学省 食品成分データベース「し好飲料類/その他/麦茶/浸出液」
参考:厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」
冷たい麦茶の飲み過ぎは胃に負担をかける?

冷たい麦茶を飲んだあとに胃の不調が気になる場合は、成分よりも温度や飲む量に注意することが大切です。
ここでは麦茶そのものの成分、空腹時の飲み方、温度の工夫の3点を取り上げます。
麦茶はカフェインを含まない
麦茶はカフェインを含まないため、コーヒーや緑茶のカフェインが気になる人でも取り入れやすい飲み物です。麦茶の成分表を見ても、カフェインの記載はありません。
その背景には、原料のちがいがあります。カフェインはコーヒー豆や茶葉などに天然に含まれる成分で、麦茶の原料である焙煎した大麦はこれらとは異なるためです。
そのため、麦茶を飲んだあとに胃の不調を感じる場合は、成分だけでなく、冷たさや一度に飲む量も見直すとよいでしょう。
空腹時の大量摂取は控える
胃腸への負担を抑えたい場合は、空腹時に冷たい麦茶を一気に飲むことは避けましょう。
なぜなら、冷たい飲み物を一度に大量にとると、胃腸が冷えて不調につながることがあるとされているためです。空腹時はとくに刺激を受けやすい状態だといわれています。
飲むときは、次のような工夫が役立ちます。
- 一度に飲まず少しずつ飲む
- 食事と一緒に飲む
- 喉が渇く前にこまめに飲む
冷たさが気になるときは常温やぬるめにする
冷たさが気になるときは、常温やぬるめの麦茶にすると、胃腸への負担を抑えやすくなります。
理由は、冷たい飲み物による胃腸の冷えを避けやすくなるからです。冷蔵庫で冷やした麦茶だけでなく、常温のものも用意しておくと、その日の体調に合わせて選べます。
暑い日に帰宅した子どもが冷たい麦茶を一気に飲みたがる場合は、常温の麦茶も選べるようにしておくと、冷やしすぎを避けやすくなるでしょう。
家族の体調や好みに合わせて温度を選べるようにしておくと、毎日の一杯を無理なく取り入れられます。
麦茶のカリウムは腎臓に負担をかける?

ここでは、麦茶に含まれるカリウム(体の水分やミネラルのバランスに関わる成分)の量と、腎臓との関係を整理します。
麦茶のカリウムはごく少量にとどまる
麦茶のカリウムは、ごく少量にとどまります。麦茶のカリウムは100gあたり6mgです。
コップ1杯(約200mL)に換算すると、含まれるカリウムはおよそ12mg程度になります。これは食品全体で見ると、少ない量だといえます。
そのため、健康な人が通常の量を飲む範囲では、麦茶由来のカリウムを過度に心配する必要は少ないでしょう。
参考:文部科学省 食品成分データベース「し好飲料類/その他/麦茶/浸出液」
健康な人は心配が少ない
健康な人が通常の量の麦茶を飲む分には、カリウムによる心配は少ないと考えられます。
健康な人の場合、体内のカリウム量は主に腎臓で調節されるため、通常の食事や飲み物の範囲では過剰になりにくいとされています。
カリウムの目標量は成人男性で1日3,000mg以上、成人女性で2,600mg以上とされており、麦茶1杯に含まれる量はその一部にすぎません。
腎機能が正常であれば、高カリウム血症(血液中のカリウムが増えすぎる状態)は通常の食事では起こりにくいとされ、耐容上限量(これ以上は控えたいという上限)も設定されていません。麦茶のカリウム量は、これらの目標量と比べてもごくわずかです。
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
カリウム管理が必要な人は医師に相談する
カリウムの管理が必要な人は、自己判断せず、かかりつけの医師に相談するのが安心です。
慢性腎臓病(腎臓の働きが慢性的に低下する病気)などで腎機能が低下すると、カリウムの排泄量が減ることがあるとされています。健康な人と、配慮が必要な人とでは、考え方を分ける必要があります。
健診で腎臓の数値を指摘されたことがある場合は、麦茶を含む飲み物や食事について医師に相談すると、自分に合った量を確認できます。家族に腎臓の数値が気になる人がいるときも、同じように相談しておくと安心につながります。
「麦茶は肝臓に悪い」と言われるのは本当?

「麦茶は肝臓に悪い」と聞いて不安な場合は、まず麦茶の成分と飲む量を分けて考えることが大切です。
ここでは麦茶の成分の特徴と、心配なときの考え方の2点を取り上げます。
麦茶の成分情報から肝臓への影響を考える
麦茶はほとんどが水分で、100gあたり水分は99.7gを占めます。原料は焙煎した大麦であり、通常量を飲むことで肝臓への悪影響に直結する成分は、成分情報を見る限り確認できません。
つまり、「麦茶は肝臓に悪い」と断定できる根拠は見当たらないのが現状です。心配しすぎず、量や飲み方を見直す方向で考えるとよいでしょう。
参考:文部科学省 食品成分データベース「し好飲料類/その他/麦茶/浸出液」
心配なときは飲む量を見直す
肝臓のことが気になるときは、飲む量を見直すところから始めるとよいでしょう。
特定の飲み物を極端に多くとるより、水や食事を含めた全体のバランスを整えるほうが無理なく続けやすいためです。麦茶に限らず、何でも一度に大量にとるのは避けたいところです。
「肝臓に悪いと聞いて不安になった」という場合でも、まずは一日の量を無理のない範囲に整えることが、落ち着いた対応につながります。気になる症状が続くときは、医師に相談すると安心です。
麦茶でミネラルの補給はできる?不足しやすい成分の考え方

麦茶に含まれるミネラルの量と、上手な補い方を整理します。ここでは麦茶のミネラル量、汗をかいた日の塩分補給、食事全体での補い方の3点を取り上げます。
麦茶のミネラルは量が多くない
麦茶にはカリウムなどのミネラルが含まれますが、その量は多くありません。麦茶100gあたりの主なミネラル量は、次のとおりです。
成分 | 100gあたりの量 |
ナトリウム | 1mg |
カリウム | 6mg |
カルシウム | 2mg |
リン | 1mg |
亜鉛 | 0.1mg |
マグネシウム | Tr(微量) |
鉄 | Tr(微量) |
※Trは、成分表上で「微量」を示す表記です。
表のとおり、麦茶のミネラルはいずれもわずかな量です。そのため、麦茶だけで必要なミネラルを十分に補うのは難しいと考えましょう。
参考:文部科学省 食品成分データベース「し好飲料類/その他/麦茶/浸出液」
汗を多くかいたら塩分も一緒に摂る
汗を多くかいた日は、麦茶だけでなく塩分も一緒に補うことが大切です。
理由は、大量に汗をかくと水分とともに塩分(ナトリウム)が失われるためです。麦茶のナトリウムは100gあたり1mg、食塩相当量は0gで、必要な塩分を麦茶だけで補うのは難しいといえます。
大量に汗をかいたときは、塩分を含む飲み物や食品も組み合わせて補給することがすすめられています。汗を多くかいた日は、麦茶に加えて塩分も意識すると、水分と塩分のバランスを保ちやすくなります。
食事全体でミネラルを補う
ミネラルは、麦茶だけに頼らず、食事全体で補うのが基本的な考え方です。
なぜなら、ミネラルは肉・魚・野菜・海藻・乳製品など、さまざまな食品に幅広く含まれているからです。飲み物だけで補おうとすると、どうしてもかたよりが出やすくなります。
麦茶は水分補給の選択肢の一つと考え、ミネラルは食事全体で補うようにしましょう。
麦茶を飲み過ぎたときに気づきたいサイン

毎日の量や飲み方によっては、体がサインを出していることがあります。次のような状態が続くときは、麦茶に限らず、飲み物全体の量や温度を見直すきっかけにするとよいでしょう。
サイン | 起こりやすい場面 | 見直したいポイント |
お腹が冷える・ゆるくなる | 冷たい麦茶を一度に大量に飲んだとき | 温度・一度に飲む量 |
体がだるい・むくみが気になる | 短時間で大量の水分をとり続けたとき | 一日の合計量・塩分とのバランス |
喉がすぐにまた乾く | 汗を多くかいた日に水分だけ補ったとき | 塩分も一緒に補えているか |
夜中にトイレで目が覚める | 就寝前に冷たい麦茶を多めに飲んだとき | 就寝前の量と温度 |
これらのサインは、麦茶そのものが体に悪いというよりも、「冷たいものを一度に大量に飲む」「水分だけにかたよる」など、飲み方のバランスが崩れているときに出やすいと考えられます。
気になる状態が一時的なものであれば、温度や一度の量を整えるだけで落ち着くことも少なくありません。一方で、症状が続いたり強くなったりするときは、無理に我慢せず医師に相談しましょう。
麦茶を飲むメリットも知っておこう

麦茶には注意点だけでなく、日常の水分補給に取り入れやすい特徴もあります。麦茶はエネルギー1kcal、炭水化物0.3g/100gと、カロリーも糖分も控えめな飲み物です。
日常の水分補給に取り入れやすい理由は、次の3点です。
- カフェインを含まない
- エネルギー・炭水化物が控えめ
- 世代を問わず水分補給に取り入れやすい
厚生労働省がカフェインを多く含むとして示す飲料の一覧にも、麦茶は含まれていません。子どもから高齢者まで、幅広い世代の水分補給に取り入れやすい点も、麦茶が使いやすい理由です。
麦茶と水はどちらを選ぶ?飲み分けの目安

麦茶と水のどちらを選べばよいか迷う方に向けて、場面ごとの飲み分けの目安を整理します。
ここでは日常の水分補給、大量に汗をかく場面、子どもや高齢者への配慮の3点を取り上げます。
日常の水分補給はどちらでもよい
日常の水分補給なら、麦茶と水は好みや飲みやすさで選んで問題ありません。両者の特徴を比べると、次のようになります。
項目 | 麦茶 | 水 |
カフェイン | 含まない | 含まない |
エネルギー・炭水化物 | 控えめ(1kcal・0.3g/100g) | ほとんどない |
ミネラル | カリウム6mg・ナトリウム1mg/100gなどわずか | 製品により異なる |
麦茶はノンカフェイン(カフェインを含まないこと)で、ミネラルがわずかに摂れる点が特徴です。日常の水分補給はどちらでもよく、好みで選んで問題ないといえます。
大量発汗時は塩分も補える飲料を選ぶ
大量に汗をかく場面では、塩分も補える飲料を選ぶのがよいとされています。
大量に汗をかくと、水分だけでなく塩分(ナトリウム)も失われるためです。麦茶や水だけでは、塩分を十分に補えないことがあります。
熱中症は、体内の水分と塩分のバランスが崩れて起こるとされています。屋外で長く活動する日は、麦茶や水だけでなく、塩分を含む飲み物や食品も用意しておきましょう。
子どもや高齢者は水分と塩分に注意する
子どもや高齢者は、水分と塩分の補給にとくに注意したい対象です。
高齢者は暑さやのどの渇きに気づきにくいことがあり、子どもは体温調節が未熟なため、暑い環境では体調をくずしやすいとされています。本人が気づかないうちに、水分や塩分が不足することもあります。
熱中症が疑われる場合は、涼しい場所へ移動して体を冷やし、水分と塩分を補うことが大切です。症状が改善しない場合や、意識がはっきりしない場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
家族で過ごす暑い日は、水分と塩分をこまめに補給するよう声をかけると、体調管理につながります。
麦茶に関するよくある質問

ここでは、本編で扱いきれなかった麦茶の疑問にまとめてお答えします。
適量、子どもや妊娠中の人への飲ませ方、保存方法など、家庭で迷いやすい点を中心に取り上げます。
麦茶は1日にどのくらい飲むのが目安ですか?
麦茶の1日の量に、決まった基準は設けられていません。ただし、一度に大量に飲むのは避け、喉が渇く前にこまめに飲むのが基本です。
喉が渇く前に少しずつ飲むようにすると、一度に大量に飲むことを避けやすくなります。汗を多くかいた日は、塩分も一緒に補うことを意識するとよいでしょう。
子どもや赤ちゃんに麦茶を飲ませてもいいですか?
麦茶はカフェインを含まないため、子どもにも取り入れやすい飲み物です。
ただし、赤ちゃんに与え始める時期や量は、月齢や発育によって異なります。自己判断で進めず、必要に応じてかかりつけの医師や保健師に相談しましょう。
妊娠中に麦茶を飲んでも大丈夫ですか?
麦茶はカフェインを含まないため、妊娠中の水分補給にも取り入れやすい飲み物です。
ただし、体調には個人差があります。気になる点がある場合は、妊娠中の飲み物について医師に相談しましょう。
麦茶でアレルギーが起こることはありますか?
麦茶の原料である大麦は、食物アレルギー表示の対象品目には含まれていません。
ただし、対象外であってもアレルギーが起きないという意味ではありません。心配な場合や体に異変を感じた場合は、自己判断せず医療機関に相談することが大切です。
麦茶の作り置きはどのくらい日持ちしますか?
作り置きした麦茶の日持ちは、保存状態によって変わるため、何日もつかは一概にいえません。
食中毒を防ぐ基本は「つけない・ふやさない・やっつける」の3原則です。清潔な容器を使い、冷蔵庫で保存し、早めに飲みきることで食中毒のリスクを抑えやすくなります。
煮出しと水出しのどちらの場合も、衛生的な扱いを心がけましょう。
参考:農林水産省「食中毒予防の3原則」
寝る前に麦茶を飲んでもいいですか?
麦茶はカフェインを含まないため、寝る前の水分補給にも取り入れやすい飲み物です。
ただし、寝る前に冷たい麦茶を大量に飲むと、体を冷やしたり夜間に目が覚めたりすることもあります。
寝る前は常温で少量にとどめると、体に負担をかけにくくなります。
煮出し麦茶と水出し麦茶の違いはなんですか?
家庭で麦茶を作る方法には、大きく分けて煮出しと水出しの2つがあります。風味だけでなく、抽出後の扱い方にも少し違いがあります。
項目 | 煮出し | 水出し |
作り方 | お湯で煮て抽出する | 水にパックを入れて抽出する |
風味の傾向 | 香ばしさが出やすい | あっさりした口当たり |
かかる時間 | 加熱+冷ます時間が必要 | 数時間置く |
扱いのポイント | 加熱後は粗熱をとってから冷蔵庫へ | 抽出が終わったらパックを取り出し冷蔵庫へ |
どちらの方法でも、抽出後は冷蔵庫で保存し、清潔な容器を使うことが基本です。煮出しの場合は、熱い状態のまま長時間室温に置かず、粗熱がとれたら早めに冷蔵庫に移すと安心です。水出しの場合も、抽出が終わったあとにパックを入れたままにせず取り出しておくと、雑菌が増えにくくなるとされています。
直接口をつけて飲んだボトルは雑菌が繁殖しやすくなる可能性があるため、家族で共有するときはコップに移して飲むのがおすすめです。気温が高い時期は、その日のうちに飲みきれる量だけ作るのも、無理のない衛生管理につながります。
まとめ
麦茶は、カフェインを含まず糖分も控えめで、適量であれば毎日の水分補給に取り入れやすい飲み物です。飲み過ぎで気になる点も、飲み方を少し工夫すれば抑えやすくなります。
この記事で整理した要点は、次の3つです。
- 冷たい麦茶の一気飲みは避け、常温も用意して胃腸の負担を抑える
- カリウムや肝臓への影響は、健康な人が適量飲む分には心配が少ない
- 汗を多くかいた日は塩分も補い、ミネラルは食事全体で補う
毎日飲む麦茶だからこそ、品質や価格を見ながら家庭に合うものを選びたいところです。
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